「あなたの今までの経験で、当社で何ができると言うのでしょうか?」
「志望動機があやふやなようですが、本当に当社で働きたいのですか?」
威圧的で挑発的な質問をぶつけてくる面接官に出くわしたことはありますか?
こういうのを圧迫面接といいます。
新入社員面接や転職面接で圧迫面接を経験することは比較的少ないと言われていますが、そもそも圧迫面接を実施する企業が少ないのには理由があります。
企業イメージの低下
面接者を否定するような厳しい質問を投げかけることから、当然ながら企業に対するイメージが大きく損なわれることが想定されます。
訴訟リスク
パワハラやセクハラに該当するような質問を投げかけると、いくら企業面接とは言え訴訟に発展するようなケースが出てくる可能性があります。
面接者には敬遠され、訴訟リスクまで抱えることから圧迫面接を行う企業は少ないですが、中にはこの面接を重んじる企業も存在します。
こういった企業の狙いは一体どこになるのでしょうか?
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圧迫面接の狙い

多くのリスクを孕む圧迫面接ですが、当然メリットもあります。
それは、面接者がどれほど己をマインドコントロールできるかを見定めることができることです。
仕事では客先や上司から理不尽で身勝手な要求をされたり、思ったように事が運ばないことは多々あるものです。
そんな時に必要なのが、冷静さを保つために自分をコントロールする能力です。
冷静さを失うと事態の好転は望めないので、どんなときでも冷静沈着でいられることがとても大切です。
そしてこの能力は幼少期から時間をかけて少しずつ育んでいくものであり、企業がいくら手厚く社内教育を用意しても身に付つけさせることが困難なものです。
つまり、「教えられない能力」なのです。
教えられないから備わっている人材を見つける必要があり、そのために多少リスクがあっても圧迫面接を行うわけです。
温厚な雰囲気での面接では、この能力を見定めることは困難を極めます。
圧迫面接の中身は?
「この学歴で当社から内定もらえると思いますか?」
「たったこれだけの経験で当社で何ができるのでしょうか?」
「履歴書だけ見ると、ずいぶんとつまらなさそうな生き方をされてますね。」
例を挙げたらキリがありませんが、基本的にはあなたのことを否定する質問を投げかけ、揺さぶりをかけてきます。
イライラさせ、不安にさせ、平常心を保つことが困難な状況に追い込むのです。
この環境が整って、初めてあなたの心の奥の声が聞こえてくる。
この声がどんなものなのかを面接官は聞きたがっているのです。
面接官も頑張っている

通常、面接官はその職場である程度権限を持った人間であるため、良識の欠けた人はあまり参加してきません。
そのため、どんなに嫌味で理不尽な質問をされても、面接官は自分の仕事を全うするためにそういった質問をしてきているという事を常に念頭に置くようにしましょう。
「こんな理不尽な質問よく思いつくな。賢い人だな、この面接官は。この人が上司になったら色々学べそうだな。」
こんな感じで面接官を見ることができれば、冷静さを失うことはありません。
冷静が良いといっても、言われっぱなしは良くない
会社によって求める人材は異なりますが、控えめすぎて言われっぱなしは面接官に悪い印象を与える可能性があります。
ケチをつけられたり、身勝手な意見を言われたときに「相手の気分を害すことなく気の利いた受け答えができるかどうか」を面接官は見ているためです。
「こういう切替しは面白いな。」
「若いのに、大人の対応ができるしっかりした人間だな。」
「説明は上手くないが、相手が理解できるよう一生懸命努めているな。」
こういった印象を少しでも与えられるよう、気の利いた返答を心がけるよう努めましょう。
冷静さを保つことができれば決して難しいことではありません。
どんな面接にも運はつきもの

あなたを評価するのは同じ人間であり、完璧・公平にあなたを評価できるわけではありません。
面接官の思惑がそれぞれ異なれば、違う評価が下るのは仕方のないことです。
このあたりは割り切りが必要な部分で、意気込みは返って落胆の原因になります。
転職エージェント等を利用して最大限準備を整えることは当然ですが、一定の確率で残念な結果が返ってくることは頭に入れておくと、パフォーマンスのブレは無くなるはずです。
転職エージェントを使わないのは大損でしかない
かつて人に仕事を紹介する立場にいたので正直に言いますが、転職エージェントを経由して転職したほうが年収が上がったり、自分では気づけない職種を発見してくれるのである意味使った者勝ちみたいなところがあります。
昔以上に転職が一般化してきた昨今では、エージェントを利用しない方が珍しいと言っても過言ではありません。
そんな時代の中で無防備で転職に臨むというのは敢えて遠回りをしているようなものですので、説明会などに参加してどれほど利用価値があるものか一度ご自身の目で確認するのも良いのではないでしょうか。
